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医学部受験数学は「ぬかりなく」

VOL.8メディカルラボ東京お茶の水校 数学講師 渡辺幸太郎



プロフィール

大学で数学を学び、中学生の頃から志望していたテレビ番組制作に携わる。その後自分の適性について考え、数学講師の道へ。医学部予備校メディカルラボの数学講師を務める傍ら、私立高校の非常勤講師や集団学習塾で教鞭を取るなど、精力的に数学指導を行っている。
 

医学部合格を勝ち取るためには数学での得点は必須だ。また、数学を制する者は他の理系教科を制するとも言われる。医学部受験生の普遍的な悩みである計算ミスの対策から新課程への対応まで、幅広く聞いた。
 

計算ミスは絶対になくならない

医学部受験の数学の問題は考え方も難しいんですが、計算が大変です。長い計算をさせる医学部が多く、考え方はわかっていても計算ミスをしてしまう。sinの積文は-cosになるんですけれども、マイナスをつけ忘れちゃうとか。すごくちっちゃなミスが多くて、「そういうミスはどうしたらなくなるんですか?」という質問がすごく多いですね。

対策としては、計算ミスは絶対になくならないということを、まず生徒にわからせます。僕も授業の準備をしていて計算ミスはしますし、他の先生もすることがあると思います。いかにその頻度を減らしていくかということしかないかと思うんですよね。そのためには計算していく度に、ひとつ前に戻りながらやっていくことが有効だと思います。「いまやっていることは本当に正しいのかな」と自分を常に疑いつつ、前に進んで行く。一問に対して「自分は3回くらいミスをするぞ」という気持ちでやらないと。
 

取捨選択をいかにするのかがポイント

どこの医学部も手を出してはいけない問題があります。手を出したら相当時間がくわれてしまって、路頭に迷うような問題があるので、その見極めが医学部の場合は必ず必要になってきます。100点を取ろうとしてしまうと、時間的にも絶対に無理です。

医学部の入試時間は他の学部よりも短いことが多くて、他の学部は一般的に90分とかあると思うんですけれど、医学部だと70分とか60分。短いところだと50分というところもあります。でも、出題数は他の学部とそんなに変わらない。なので、取捨選択というのが大事になってくると思います。
各大学、毎年問題の配置が似ていて、大問1はだいたい出来る問題だとか、大問2や4は見送るべき問題が来やすいとかがあるので、当然ある程度傾向を調べて、挑むというのが大事です。

全体的に見て、微分積分の問題は落とせないなと思います。どこの大学もほぼ出ていいますし、計算ミスが出やすいので、そこを確実に解くことが大事なのかなと思います。ⅠAⅡBよりも、数Ⅲの微分積分のほうが点数は取れると思います。微分積分が解ければ安心感が生まれます。その上で他の部分で点を取っていくということですね。微分積分の問題が取れなかったら受からないんじゃないかな、と思います。

特に私立医学部対策は過去問でどういう問題形式なのかを把握することが大切です。出題傾向が大学によって毎年似ているので、それをきちんと理解する。苦手なところを今までやってきた問題集と照らし合わせて、できなかった過去問の類題を解く、その繰り返しだと思います。できないことをなくしていく作業です。
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