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メディカルラボには医学部受験のプロがいます!

生物は「知識を正確に身につけ、それをいかにリンクさせ、使っていくか」

●VOL.13メディカルラボ東京池袋校 生物講師 久保裕一郎



「実は同じ内容だけど見た目が変わっているだけ」

そのことをわかって欲しい
 
生物を使って医学部受験をするといっても、そんなに「医学部受験だから何かを重点的に学んでおかなければならない」ってことはないと思うんですよ。それよりは、それぞれの医学部によって出題傾向が異なるということのほうが強いかなと思います。これまでの「生物Ⅱ」のほうで選択になっていた「進化分類」と「生態系」のところなんかは、大学によってはどちらも出さないというところもあれば、「うちはどちらも出しますよ」というところもあって、そういった大学ごとの傾向のほうが強いですね。

大学ごとの傾向を知るために秋からは過去問演習に入ります。受けるであろう大学の問題と、そこと出題傾向が似ている大学の問題を、過去数年分やります。
過去問の演習の仕方としては、生徒にあらかじめ解いてもらって答えを確認していくのですが、そのときには「なぜその答えを選んだのか」を問います。例えば正誤問題でも、間違っているところは「どこが間違っているのか」を、1個1個確認するようにしています。というのも、同じ話題を裏返しにした問題が出題されたりするからです。あるいは、その「間違っている」理由を問うような問題が出題されることもあります。1問の問題の中にたくさんの問題が隠れているんです。

どんな医学部でも高校生物の教科書を元に出題しなくてはいけないのは決まっている。ということは同じ内容が見た目の違う問題として出ているだけなんですよ。それをしっかりと生徒に認識してもらいたいというのはあって、「このあいだ解いた大学の問題が、この大学ではこうやって出題されてるだろ?」ってことを指摘しながら進めていきます。
 
 
生物の苦手意識を克服する方法
 
生物の基本は教科書。まずは知識ですね。生物が苦手な生徒というのは、まずもって知識がないんです。英単語を知らないから英語が読めないのと同じ。生物の専門用語をわかっていなければ、問題の意味もわかりませんから。だから、まずは知識を正確に幅広くきちっと覚えるということが大切で、私の場合は授業の中で毎回、用語テストをすることにしています。

中でも計算問題や実験考察問題を苦手とする生徒さんは多いです。「実験考察問題」は、例えば実験操作の意味を問うとか、「ここをこう変えたらどういう結果が予想されるか?」といった問題です。

実験考察問題の苦手意識を克服するには、まずは用語や知識を正確に身につけることが重要です。その上で、知識をどうつなげていくのか、どうやって使っていくのかということが必要になります。それはメディカルラボで私が解説していくことだと思っています。そして、生徒さんに繰り返し練習してもらって、また私が解説する。その作業を繰り返していくことが克服の方法だと思っています。全ての実験問題を覚えて、受験に向かうなんていうことは無理です。なので、理屈をきちんと理解することが必要です。
 
 
問題難易度の高い、問題数の多い医学部は
問題を前にしたときに立ち止まって考えてみる

 
私が生物の難易度が高いと思う医学部は愛知医科大学、それから東海大学、もちろん慶応大学も難しい。愛知医科大学は、生徒が可哀相になるような問題がこのところ出題されています。教科書にない生き物の話が出てきて、受験生全員が「そんなの初耳だぞ!?」という情報を与えられたうえで、そこから考えて解いていくという問題です。そのときに「教科書に出ていたあの話とこの問題はリンクしているんじゃないの?」ということに気がつけるかどうか。これが出来るかどうかを分けるのは、先ほどもお話した「正確な知識とその知識がリンクしていて、使える知識となっているか」どうかなんです。

問題数的には多い医学部もありますし、少ない医学部もあります。岩手医科大学などは、問題数も少なく、難易度も高くなくて、時間が余ってしまうくらいです。逆に問題数が非常に多いのが東邦大学などです。東邦大学はマーク式なんですが、問題量がものすごく多いですね。こうなってくると訓練も必要になりますが、実はこちらが「受験生であれば当然知っているだろう」と思うことを、生徒が知らないということも多いです。例えば、問題数の多い大学で、いきなり1問目から解き始めてしまうとか。「全部の問題を見なさい、何が出題されているか見なさい。どれに先に取りかかるか、どれを後回しにするか作戦を立てなさい」ということを、言われて初めて気がつく生徒さんもいるので、必ず話すようにしています。

苦手意識を持っている生徒の多い計算問題に関しても、全く同じ話で、式ができたらすぐに計算を始めてしまうんですよ。そうではなくて、式ができたら「簡単に解ける方法はないかな?」とちょっと立ち止まって考えてみる。よく見たら、「そことそこは約分できて、あっという間に計算できちゃうじゃないか!」と気づく。そういうことが多いんです。

論述問題は採点の手間がかかるので、計算問題を出題する大学は多いです。そういう点でマーク式を採用している大学も多いですが、マーク式でも単に知識を問う問題ではないものを出題しようとすると、どうしても計算問題になってしまう。それと、先ほどの実験考察問題ですね。単純な知識があるかどうかというところでは、医学部受験生の中では差がつかないですから、計算問題と実験考察問題は、本当に合否がわかれるところです。知識の問題ができたうえで、計算問題と実験考察問題ができるかどうかで試されるわけですね。
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