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「医学部入試合格ガイダンス」2015年度入試 入試直前対策編
●VOL.16メディカルラボ東京お茶の水校 東日本エリアマネージャー/東京お茶の水校校舎長 佐分篤史
私立大学志願者数動向を見極めるポイント
私立大学の2014年の動向を見てみましょう。全体で12,455人増えましたよという数字が出ています。旧課程の入試最後ということもあって、12,500人前後の増加ということに反映されたのかなと思います。
では、個別で見てみましょう。12,500人前後増えたということは、どの大学も増えたということが言えると思うんですが、増え方というのは大学によって異なってきます。志願者数が著しく増えるのか・緩いのか、それとも減るのか? 私立の場合の要因はこれです。ずばり「入試日程」。
2013年度、2014年度の岩手医科大学の志願者数を比べると、761名増えています。その理由は2013年度で岩手医科大学、杏林大学、兵庫医科大学の入試が同じ日に実施されたのが、2014年度は岩手医科大学、兵庫医科大学だけになったということです。入試日の重なっていた1大学が減りました。それによって志願者数が分散されたということです。ちなみに昨年、杏林大学の試験日は単独でした。
その他、これは昨年のホットな話題でしたが、帝京大学の学費1200万円削減ということがありました。それによって志願者数が殺到した。約3,000人増えたという話ですが、帝京大学は3日間入試があります。一人で3日程を受けることができます。一人で3日程受けると3名受けているとカウントされるので、3で割っていただければ実際の数字になるのかなと思います。
それと、そんなに影響ないと思ったんですが、東海大学が一般入試で10名定員を増やしたということがありました。「あ、10名増えたからラッキー」という風に志願者数が増えたと思われます。
このように私立大学は入試の日程によって志願者数が変化するんですが、もうひとつ変化する要因があります。関東の方は考えにくいかもしれないですが、入試会場ということが大きく関係してくるんです。どこで試験があるのかということは非常に重要です。
例えば川崎医科大学は岡山県にしか入試会場を設定していません。わざわざ岡山まで行くのは大変じゃないですか? 「翌日にこのテストがあるからどうしよう」とか考えますね。
入試会場がどこなのかについても、受検者数の増減に関わるということを覚えておいてください。
2015年度入試動向
私立大学の試験日で受験校を決める
私立大学は入試のスケジュールで志願者数が大きく変わります。そこをみてみましょう。
2015年度の注目すべき日程のまずひとつめ。ここです。1月25日。4大学重なっています。埼玉医科大学、藤田保健衛生大学、近畿大学、川崎医科大学。
あともうひとつ、2月2日。帝京大学、東海大学、日本医科大学、福岡大学と入試日が重なっています。
せっかくなので、僕が注目している入試日に関してお話させていただきます。皆さん、一次試験の重複は気にされる方が多いのですが、実は二次試験の重複もみるべきだと思います。僕が注目している日程は1月31日。一次試験は獨協医科大学と関西医科大学の2大学しか重なっていないんですけれども、ここは二次試験がすごく重なっているんですよ。岩手医科大学、順天堂大学、北里大学、兵庫医科大学、川崎医科大学と重なっています。一次試験が受かった子は、必ず二次試験の面接・小論文に行くはずです。なので、ここは一次試験の志願者数の変化があるんじゃないか? ということが言えると思います。
入試会場で志願者数が変わる
あともうひとつは入試会場のお話です。獨協医科大学の入試会場はどこにありますか? 東京ではないですよね、栃木ですよね。栃木しかありません。では、関西医科大学の入試会場はどこにありますか? これは全国にあります。東京会場も設定してあります。名古屋会場も設定してあります。もちろん関西の会場も九州の会場もございます。では、どうですかね? 西日本の方がわざわざ栃木まで宿泊に行く…それは、非常に大変だと思います。二次試験も重なっている、入試会場も栃木しかない、というところでこの1月31日は僕の中では注目している日程ですね。
後期試験も諦めない
後期試験は日程の重複はありませんね。「後期試験ってどうなんですかね?」ってよく聞かれるんですが、合格者の偏差値というものを見ると、前期よりも後期のほうが実は合格者の偏差値が低いんですよ。埼玉医科大学の45名を除けば、もちろん後期のほうが定員は少ないのですが、前期よりも後期のほうが合格者の偏差値は低い。なぜかというと、後期にいく前に前期で受かっている方が多いからです。なので、最後まで諦めずに勉強して受験したほうがいいと思います。
私立大学受験のその他の注意事項
都内でしたら、ほとんどの大学が受験できます。それは本当にラッキーなことだと思います。
私は昨年まで、メディカルラボの大阪校にいたんですが、大阪校の生徒が入試時期にどのような生活をしているかというと、ほぼ2~3週間東京のホテルに宿泊です。それは大変だと思います。関東の方は自宅から受験会場に行けるので、普段の慣れている生活の場から入試に行けるのは、本当にラッキーだと思います。
その中でも注意していただきたいところは、北里大学が本学でしか入試を行っていません。神奈川ですね。受けられる方で、ちょっと神奈川は遠いなという方はホテルをとられるかと思うんですが、一次試験のときは近くのホテルが満室になってきているので、早めに押さえたほうがよいかと思います。獨協医科大学も同じことが言えます。
2月に入ると、中国の旧正月にあたるので、外国人の方がたくさん日本に来て宿泊しているんですよ。旅行会社がホテルを押さえてしまいますので、本当に早めに手配されたほうがいいかと思います。
あと、都内での注意事項は、埼玉医科大学が大学は埼玉にあるんですけれども、一次試験は都内で行います。聖マリアンナ医科大学は神奈川にありますが、ここも一次試験は都内で行われています。ほとんどの大学が都内で受験することができますので、ぜひ複数校受験していただきたいなと思います。
前日の下見は必ずする
はじめて受験生をお迎えするご家庭もあるかと思いますが、必ず入試会場の下見は行ってくださいね。前日に自宅からどれくらいの時間がかかるのかなどチェックしてください。去年は日本大学の入試日が大雪だったこともあり、何があるかわからない。なので、必ず下見には行ってください。
なぜ下見が必要なのかというと、例をあげれば、順天堂大学の入試です。順天堂大学は入試を千葉で行います。幕張メッセです。受験された方に「何にいちばん困った?」と聞くと、トイレって言いますね。お手洗いがとても少ないので、女性の方は本当に大変です。やはり入試会場に見学に行って、もし入れるのであれば、どういった設備があるのかというのは本当に見ておくといいと思います。
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