メディカルラボには医学部受験のプロがいます!
設問を解くために英文を読むというトレーニングを
●VOL.21 メディカルラボ東京お茶の水校英語講師K.M
1問解いて慢心せずに英語的忍耐力を疑おう
医学部を志す受験生は短文の論理的な説明を理解することが得意だと思うのですが、全体的に見て、長い文章に対する忍耐力が足りない傾向にあります。ある生徒さんの例を挙げると、春から秋にかけて20分間で問題を解くということをやってきて、とても正解率が高かったのに、模擬試験の点数がどうも取れないということがありました。文法もきちんとできているし、時間配分もできるのに、何がダメだったのかというと、忍耐力の無さだったんです。20分と言われて20分で問題を解くことはできるのだけれども、「40分で2問解いてください」となると正解率が落ちてしまう。そこで、50分で2問を解くという演習を繰り返しました。時間配分は上手くできるのに、点数が伸びないという人は、1問できたところで安心せずに、2問続けて解いたらどうだろうと考えて欲しいですね。
習得した知識を問題を解くためのツールに変えるノート術
英語のノートに関しては、自分で後から振り返って絶対に分かる物を作って欲しいです。まず、テキストの英文の拡大コピーを取ってもらって、ノートに貼り付けてください。そして、思いついたことを英文の行間に書き込んでいく。テキストには絶対に書き込みをせずに、後からまっさらな状態で復習ができるようにしておいてもらいたいんです。構文の問題をやっている場合は、ワンパラグラフが4行くらいまでの長さなので、ノートに手で書き写して欲しいです。そうすると体で英語を覚えることができるので。
当たり前のことですが、英文は左から右に読んでいきますよね。日本の英語教育では、中学校から全訳というのをやるじゃないですか。その時に後ろのほうを読んでから前に戻ることをしますよね。それが身に付いてしまって、受験生の今になって文法をしっかり理解してきたにも関わらず、左から右へ読み流す勇気がなかなか持てずに、全部見てから前のほうに戻って読み返してしまう。しかし、それをやっていたら医学部受験では絶対に時間が足りないんです。なので、先の展開を意識しながら読み流して欲しい。行間に書き込むのはその訓練です。これは文法と読解の橋渡しとなるもので、文法の四択問題などは解けるようになったけれども、読解がどうも苦手という人はぜひ試してください。文法の知識を頭から引き出しながら読む訓練になります。
例えば、文頭に「~ing」が出てきたとして、それが動名詞なのか分詞構文なのかを考えますよね。その「可能性」を行間に書き込んで欲しいんです。動名詞ならば名詞で主語になるから、次に動詞がくる。分詞構文ならば次に主語がくる。次にくる動詞や主語が可能性を検討する時に必要な「根拠」ですよね。その根拠を自分で考えてまた書きこむ。このようにして文法の参考書や問題集で習得した知識を実践的な読解の道具に変換できるようにトレーニングしていきます。この作業をすることによって、いかに自分の文法の知識があやふやかということも実感できるはずです。復習した時に、何も書き込んでいないテキストを見てパッと分かるようになってもらいたい。こういったことをワンパラグラフレベルでやっていれば、長文はそれの積み重ねなので対応できます。
教える原動力は「人」への興味
僕がメディカルラボで教えることになった経緯というのは、医学部で教えていたことと、ある国立機関の社会学・人類学のプロジェクトで地域医療の先生や精神科医の方と接する機会があって、「医療って面白いな」って思ったからなんです。そして、大学や予備校で集団授業をやっている中で、物足りなさを感じたということもあります。マンツーマンというのは臨機応変に教えられるし、反応がダイレクトに返ってくる。生徒が伸びているという実感が得られますし、逆に伸び悩んでいるということも分かる。それが集団授業だとあまり感じられないんです。マンツーマンは生徒さん一人ひとりにふさわしい対応をしなければならないし、狭いブースの中で生徒さんだけでなく講師も絶対に逃げられないという大変さはありますけれど。僕は多分「人」に興味があるんですよね。だから、自分が何かを投げかけて、それが生徒に及ぼす結果が実感できるメディカルラボでの仕事にとても魅力を感じています。
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