メディカルラボ通信
医学部の面接でよく聞かれる質問とは?対策方法やポイントも解説
医学部の入試では面接が実施されます。今回は、面接ではどのような質問をされることが多いのか、回答する際には何に注意すべきかについてまとめました。また、面接対策の方法や身だしなみのポイントについても解説します。
CONTENTS
医学部入試における面接の特徴
医学部医学科(6年制の医師国家試験受験が前提となるコース)では、国公立・私立を問わず入学試験において面接が実施されます。募集要項などでは「学科試験の成績が基準を満たす場合でも、面接試験の成績によっては不合格となる」と記載されている大学もあり、面接で医師として不適格と判断されると不合格になることもあります。そのため、しっかり対策・準備をしたうえで臨みましょう。
また、医療の現場では患者さんやご家族、医師や他のスタッフとのつながりが欠かせないため、コミュニケーション能力や言語化能力、話を聞き取る力は重要です。面接試験はこの能力をはかるためのものでもあります。
学科試験と同様、面接試験も大学によって出題内容や形式が異なります。目指す大学の面接試験を研究し、対策しておくことが重要です。
医学部の面接でよく聞かれる質問・回答のポイント
医学部の面接試験の内容は、大学によって異なります。しかし、志望動機や理想の医師像、自分自身の長所・短所などについては、ほとんどの大学で尋ねられるため、事前に対策を練っておくことが必要です。ここでは、よく聞かれる質問と回答のポイントを紹介します。
志望動機
医学部医学科は、基本的には医師を目指す人が志望します。そのため、医学科を志した理由というよりは、医師を志した理由について尋ねられることが多いです。ストレートに「なぜ医師になりたいのか」と尋ねられることもあるため、事前に考えておきましょう。
医師になりたい理由として、医師の仕事の素晴らしさといった抽象的な答えのみは避けるほうがよいでしょう。医師になりたいと思ったエピソードも絡め、具体的かつ熱意を込めて面接官へ説明することが大切です。
また、「なぜこの大学を選んだのか」と尋ねられることもあります。大学ごとのアドミッション・ポリシーを熟読しておくことはもちろんのこと、大学の研究実績や設備などについて調べて触れることもおすすめです。また、医学の中で学びたい分野が決まっているときは、その分野や教授について触れることもできます。
理想の医師像
「どのような医師になりたいか」「理想の医師像はあるか」といった質問で、医師として目指す姿について尋ねられることもあります。志望動機と同じく、抽象的な回答は避けましょう。面接官に深掘りされることになってしまいます。まずは医学部で学びたいことを明確にしておき、具体的かつ現実的な返答を心がけましょう。
理想の医師像についての質問は、医師になりたいという情熱を伝える機会ともいえます。将来どのような道に進みたいのか、たとえば「地域医療に貢献すること」や「研究医として働くこと」、「希望する診療科」などについて熱意をもって伝えてください。また、その理想に近づくためにはどうすればよいか、まで考えておくことも大事です。
長所・短所
また、長所や短所は、医師として働く場合を想定したものであることが望ましいです。
たとえば、計算が速いことやピアノが上手なことは長所といえますが、医師として必ずしも必要な要素とはいえません。
人見知りをしない(=初対面の患者さんとも打ち解けられる)ことや、いつでも機嫌がよい(=気持ちの変化に左右されずに常に冷静な判断ができる)ことなどを挙げ、医師になったときにどのように活かせるのかも伝えましょう。
短所について述べるときは、克服するために心がけていることや、強みに転換する方法も伝えることが必要です。短所と丁寧に向き合っていることを示し、向上心のある人間性をアピールしてください。
中学・高校で取り組んだこと
中学や高校で取り組んだことについても尋ねられることがあります。勉強でもよいのですが、部活動や習い事、ボランティア活動などの課外活動について答えることが一般的です。活動から得た学びを、医師としてどのように活かせるか説明するようにしましょう。
たとえば、際立った成績を残していなくても、根気強く続けた部活動やお稽古ごとについて触れ、医師として困難な局面に直面したときに、今まで培った根気強さで最後までやり遂げると説明できます。成果よりも内面的に得たものに注目すると、説明しやすくなるでしょう。
併願校について
併願校について尋ねられることもあります。ほとんどの受験生は複数の学校を併願しているため、正直に答えても問題ありません。
その学校を選んだ理由について尋ねられたときは、学校のカリキュラムや設備など、学習面に注目して回答しましょう。例えば、「親の出身校だから」など、受験することになった「きっかけ」として説明することは良いですが、回答理由としては好ましくありません。
また、志望順位について尋ねられることもあります。前述のとおり、複数の学校を併願している受験生がほとんどです。受験をする限り、その学校を第一志望として回答することが適切ですが、「どうしても医師になりたい」「貴学で自分の理想を実現したい」ということを伝えるように話しましょう。
浪人や再受験の理由
浪人している場合は、落ちた理由について尋ねられることがあります。なお、この質問は、合格しなかった本当の理由を知りたいために尋ねられるのではありません。失敗したときに理由を分析しているかどうか、失敗から学んでいるかを調べるための質問です。面接官の意図を汲み取り、冷静に分析して未来につなげる形で答えるようにしましょう。
また、医学部以外の大学に進学してから再受験する方もいます。「なぜ医学の道を目指しましたか?」「高校を卒業してから長いブランクがあるようですが」と、面接官から再受験を志した理由について尋ねられるため、熱意が伝わるように答える準備をしておきましょう。
最近読んだ本や関心のあるニュース
最近読んだ本や興味深く感じたニュースについて尋ねられることもあります。どの分野でも問題はありませんが、医療関連の本やニュースについても触れるほうがよいでしょう。また、単に概要を述べるだけでなく、「自分がどのように感じたのか」についても説明することが大切です。
面接官からテーマを指定され、意見を聞かれることもあります。よくあるテーマとしては、次のものが挙げられます。
地域医療、AIと医療、環境問題、チーム医療、がんの告知、医療ミス、少子高齢化、インターネット、いじめなど |
この質問に回答するためには、普段からさまざまな時事問題に関心を持ち、視野を広げておくことが必要です。また、社会的な課題であっても、具体的な解決策を述べる必要はありません。あくまでも自分はどのように考えるのか、客観的かつ現実的に回答しましょう。
医学部入試の面接の対策方法
学科試験で高得点であっても面接試験の結果によっては、合格できない可能性があります。受験勉強もしつつ、面接対策も漏れのないよう進めておきましょう。
募集要項を細かく確認しておく
まずは大学の募集要項を細部までチェックしておきましょう。大学では、原則としてアドミッション・ポリシーに基づいて選抜試験を行っています。そのため、求める人物像やアドミッション・ポリシーを把握することで、大学が重視していることを理解できます。募集要項だけでなく、大学のホームページの理念や学長の言葉も確認しておきましょう。
オープンキャンパスに参加する
大学案内やホームページだけでは、その大学の良さや雰囲気をつかめません。オープンキャンパスに参加して、大学の空気感を肌で感じてみてください。大学を志した理由について面接で尋ねられた際、オープンキャンパスで得た感想や経験から、より志望度が高まった、など面接官に熱意を伝えやすくなることもあります。また、オープンキャンパスは気軽に参加ができますが、行った際は「将来自分が実際に通うんだ」という気持ちで足を運んでみると、受験に対してのモチベーションにも繋がります。
模擬面接や面接指導を受ける
学校や予備校では、模擬面接や面接指導を実施していることがあります。前年度までの傾向を把握して準備したうえで、模擬面接や面接指導に臨みましょう。客観的な意見をもらうことで、本番では自信をもって話せるようになります。
医学部専門の予備校では、医学部面接に特化した面接対策を提供しています。メディカルラボでは、実際に受験をした先輩たちから「受験レポート」を集め、データを蓄積しています。大学別にどのような出題がされるのか詳細に把握をし、分析をしているため、より具体的な対策が可能です。
また、面接専門の講師が、生徒一人ひとりの生い立ちや考えに沿って、個性的でベストな解答例をマンツーマンで指導します。実際の質問内容や試験時間なども考慮して模擬面接も繰り返し行い、本番で力が発揮できるようにサポートしています。
医学部入試における面接の形式
面接試験は大学ごとに形式が異なりますが、次の4つの形式のいずれか、あるいはいくつかを組み合わせて実施するのが一般的です。それぞれの形式の特徴や注意点について解説します。
・個人面接 ・集団面接(グループ面接) ・集団討論(グループ討論) ・MMI(multiple mini interview) |
個人面接
個人面接は、受験生1人と面接官で行われる面接です。多くの大学で実施されている形式のため、緊張しないで臨めるように、模擬面接などで訓練しておきましょう。
個人面接では、願書と同時に提出した志望理由書から質問されることもあります。記載した内容と大きくずれていると、言葉に一貫性がなく、面接官に熱意が伝わりにくくなってしまいます。志望理由書はコピーして手元に残しておき、面接対策に活用しましょう。
個人面接は受験生が1人なので、より深く自分がアピールできる面接です。一方で、さまざまな視点からの質問や深い追及をされる場合もあります。
集団面接(グループ面接)
集団面接は、受験生2人以上に対して面接官2人以上で行われる面接です。どの面接官から、どのような質問がされるかわからないため、別の受験生に尋ねているときでも、自分ならどう答えるか考えておきましょう。
また、集団面接では話を聞く態度もチェックされています。自分が答えていないときも気を抜かず、熱心に聞く態度を示すようにしてください。
個人面接とくらべると、1人当たりの面接時間が少ない場合が多いです。一方で、他の受験生と比較をされやすい面接といえます。
集団討論(グループ討論)
集団討論は人数に規定がないですが、一般的には4~6名ほどのグループ(受験生)で行われる討論形式の面接です。テーマに基づいたディスカッションを通して、積極性や論理的思考力、また、協調性やコミュニケーション能力などがチェックされます。
自分の意見を明確に持つことも大切ですが、他の受験生の意見も聞き、結論をまとめる力も問われます。なかには司会者を受験生の中から決める場合もあります。
MMI(multiple mini interview)
MMI(multiple mini interview)とは、特定のテーマについての個人面接を複数回実施する面接です。面接ごとにテーマや面接官が変わるため、受験生を多面的かつ客観的に判断できる方法といえます。
テーマは医療だけでなく実生活のシチュエーションなど多様です。特定のシチュエーションが記載された文章を読み、その状況においてどのような行動や思考をするかが問われます。
現在MMI方式の面接試験を実施している学校は一部の大学ですが、徐々に増えつつある新傾向の面接です。スムーズに対応できるよう、模擬面接などを通してしっかりと対策しておきましょう。
医学部面接における身だしなみのポイント
面接では質問に対して答えることも重要ですが、ふさわしい身だしなみをしていることも大切です。ここでは、服装と髪型、メイクのポイントを紹介します。
服装
現役生は基本的に制服です。ボタンをしっかりと留め、スカート丈なども標準的なものに調整しておきましょう。制服がない現役生や浪人生、社会人は、スーツが適切です。過度におしゃれをする必要はありませんが、清潔感のある印象を与えることが大切です。しわのないようにクリーニングに出しておくのはもちろんのこと、靴も丁寧に磨いておきましょう。
ただし、一部大学では、面接試験の際、現役生の制服着用を禁止している大学もあります。これは服装による先入観を排除するためです。大学の募集要項を必ず確認しましょう。
髪型
髪型は、清潔かつ誠実な印象を与えるものかどうかチェックしてください。長い髪や広がりやすい髪は、目立ちにくいゴムやバレッタなどでまとめておくようにしましょう。また、ナチュラルな髪色が無難です。カラーリングをするときは、ナチュラルに見えるかどうかに注目し、自然な髪色に仕上げるようにしましょう。
メイク
現役生はメイクをしないほうが無難です。メイクをするときは、ぱっと見た感じでわかりにくいようにナチュラルメイクを心がけるとよいでしょう。浪人生や社会人はメイクをしても問題ありませんが、華美にならない程度にナチュラルさを意識します。面接ではおしゃれさや華やかさは求められません。誠実で真摯な印象になるよう留意しましょう。
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また、生徒の理解度や進捗に合わせて随時カリキュラムの見直しを行うので、効率的にレベルアップを図れるのもメディカルラボの特徴です。
また、ますます面接試験が重要視されている医学部受験において、学科試験と同様に大学ごとの出題傾向に合わせた適切な対策が欠かせません。
メディカルラボでは面接専門の講師が、生徒一人ひとりの生い立ちや考えに沿って、個性的でベストな解答例をマンツーマンで指導。実際の質問内容や試験時間なども考慮し、模擬面接を繰り返し実施することで、受験生は自信を持って面接試験に臨むことができます。
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