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メディカルラボ通信

2022年6月号『医学部入試は「総合型選抜・学校推薦型選抜」の活用がカギ!』

2022.6.27 公開
 今日,関東甲信・東海・九州南部の各地方の梅雨明けが発表されました。何でも例年と比べて3週間近く早いとのことです。これから夏休みを迎え,受験勉強もさらに力が入る時期です。暑い日々が続くと思われますが,体調を崩すことのないように規則正しい生活とバランスの良い食事で夏に向けた準備をしておきましょう。
 今回はメディカルラボ情報研究所 所長の山本雄三氏に,「総合型選抜・学校推薦型選抜」に関する基礎知識や,合格可能性を高めるという観点での「総合型選抜・学校推薦型選抜」に向けた対策について解説していただきました。

総合型選抜・学校推薦型選抜は,そろそろ準備を始める時期!

 もうすぐ夏休みがやってきますね。夏休みは志望校決定の時期ですが,もう一つ大事なポイントがあります。それは総合型選抜(以下,総合型)や学校推薦型選抜(以下,推薦型)の受験準備です。
 一般選抜に加えて,総合型や推薦型を検討している受験生は,今の時期から準備を始める必要があります。例えば,大学によっては出願要件として,夏休みの期間中に「医療体験活動」などを義務づけていたり,医療に関する課題小論文の提出を求めたりしています。9月以降は一般選抜の対策で英語や数学,理科の学習に多くの時間を割かれることを考えると,総合型や推薦型に向けた準備が不十分になってしまうおそれがあります。
 今回は,この夏からスムーズに準備ができるようにするため,総合型や推薦型に関する基礎知識をお伝えします。

総合型・学校推薦型選抜などを実施している医学部医学科はどのくらいあるか? 

 国公立医学部では,全50大学のうち44の大学が推薦型を,13の大学が総合型を実施しています。東京大学や京都大学といった難関大学であっても,多様な学生に入学して欲しいと考えていることが理由の1つです。私立医学部でも,全31大学のうち約半数の16の大学が学校推薦型選抜を,11の大学が総合型選抜を実施しています。どの選抜形式を実施するかは大学によって異なっており,複数の形式を実施する大学もあります(2022年度実績。2023年度は変更される可能性があります)。
 国公立大学は,ほぼ全ての大学が6月末頃までに募集要項を公表しますが,私立大学は8月末頃まで公表されない大学もあるため,各大学の動向に注意が必要です。

医学部入試において無視できない総合型・学校推薦型選抜の定員

 下表をご覧いただくとわかる通り,医学部医学科の入試における総合型・推薦型の定員は,医学部受験者にとって無視できないものとなっています。特に,国公立大学では定員全体の4人に1人が総合型・推薦型です。また,総合型・推薦型の定員は,毎年少しずつ増加しています(2023年度の定員の最終決定は11月頃)。 

医学部では一般選抜の定員が削減傾向にあり,今後は難化のおそれも!

 医学部の入学定員は,医師不足に伴う地域医療の崩壊を防ぐために,過去10年あまりの間に,「地域枠」を中心に臨時の定員増が行われてきました。しかし,将来的には医師過剰が見込まれるため,これまでの臨時増員を縮小させる方向で検討が進んでいます。
 地方を中心に医師不足が解消されていないエリアもあるため,一般選抜の定員を減らして総合型や推薦型の定員を増やす,いわゆる「定員の振替」を行う大学もあります。ただし,依然として最も定員が多いのは一般選抜であり,受験の対策し易さを考慮すると,やはり入試のメインは一般選抜と考えてよいでしょう。しかし,一般選抜は定員減の傾向に伴い,難化のおそれがあると考えられます。
 

「総合型・学校推薦型選抜」を受験して,受験機会を増やそう!

 ここ最近は夏休みが近づくにつれて,医学部をめざす高3生・高卒生の多くが,総合型や推薦型による受験を考える傾向にあります。特にこの2年間は,新型コロナウイルスの蔓延によって大きな影響を受けたこともあり,受験機会を1回でも増やしたい,あるいは少しでも早く合格をつかみたいと考えた受験生も多くいたと思われます。総合型・推薦型の受験を迷っている人は,早速検討してみることをお薦めします。


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