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メディカルラボ通信

2023年11月号『秋から冬の医学部受験攻略法〔化学・生物・物理編〕』

2023.11.27 公開
 いよいよ2023年も残り1ヶ月ほどになりました。街中はクリスマスのイルミネーションやディスプレイで盛り上がっていますが,受験生の皆さんにとっては今が正念場。今年だけはぐっとこらえて,入試本番に向けた最後の追い込みに全力を尽くしましょう!
 さて,今回のメディカルラボ通信は先月に引き続き,メディカルラボで指導にあたっている化学・生物・物理の各講師に「秋から冬の医学部受験攻略法」として,入試直前期の学習のポイントについてアドバイスをいただきました。

秋から冬の医学部受験攻略法〔化学編〕

① この時期の学習ポイント

 まずは弱点を見つけて,その弱点を克服してください。不得意な単元はどうしても手が進まず,得意な問題ばかりを勉強し,嫌な単元は嫌なままで放置してしまいがちです。実は苦手な単元であればあるほど,そこには大きな伸びしろが隠れているのです。わかりにくい単元は高校の先生や,塾・予備校の先生方に質問し,弱点をどんどん克服して自分の強みに変えていってください。
 弱点以外の単元については,現在使っている問題集を最低2周は取り組んでください。その中で,間違える問題があれば何度も繰り返し解いて,「こういう論点が問題になっている。ではその答えを出すためにはどういう原理や原則に基づいて考えれば良いのか。計算式や公式はどれを使うのか」という解法パターンをマスターしてください。

② 共通テスト対策

 共通テストでは,グラフや表などから情報を読み取って解答する問題が多く出題されます。目の前の事象だけでなく,多角的な視野と知識を持って臨まねばなりません。
 共通テスト模試に出題された問題を例に挙げますが,「分子の構造と特性」,「海洋生物の成育に影響を与える酸」,「温室効果ガス」,「有機化合物の合成原料」,という4つのキーワードから連想される化合物が何かわかりますか?これらは全て二酸化炭素に関するキーワードで,多岐にわたる単元で出題されています。それぞれの内容を分析して読み解かなければ正答には至りません。
 実戦演習としては,共通テスト対策用の問題集を使用し,問題を解答する際には目の前の事象だけに囚われず,広い視野・深い知識を持って問題を解くように意識してください。

③ 私立医学部〔1次〕・国公立医学部〔2次〕対策

 医学部入試は試験時間が圧倒的に足りません。全ての問題を完答することは至難の業です。医学部入試で目指さねばならないのは,満点をとることではなく合格することです。他の受験生より1点でも多く取り,合格ラインを超えねばなりません。そのためにすべきなのは「解ける問題から確実に正答し,点数を積み上げ,捨て問には絶対に手を出さないこと」です。
 過去問演習の際にも,本番同様に「どの問題から手をつけるのか,その問題にどれだけの時間をかけるのか,捨て問はどれなのか」と作戦を立てて臨んでください。

④ その他

 各大学は多種多様な問題を出してくるので,理論,無機,有機の各分野をバランス良く演習してください。特に「気体」,「平衡」,「有機化合物の構造決定」は頻出ですので,これらの単元の問題演習はしっかりと取り組んでおきましょう。
 また見慣れない単元として「EDTAの化学平衡」〔’23大阪医科薬科大,’23筑波大で出題〕,「ケト=エノール平衡」〔’23順天堂大,’23三重大で出題〕,「ラウールの法則」〔’23福岡大,’23京都大で出題〕,「人工甘味料」〔’23埼玉医科大,’23防衛医科大学校で出題〕などに注意が必要です。さらに,出題単元とは別の切り口の話ですが共通テストでよく見られる「会話文形式」〔’23浜松医科大,東京大で出題〕にも要注意です。冗長な問題文に惑わされることなく,問われている内容の本質をつかむ練習が不可欠です。
 


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