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メディカルラボ通信

2024年12月号『直前期に押さえるべき共通テスト攻略法』

 
2024年も残すところわずかとなりました。
 ここ最近は朝晩にかなり冷え込む日々が続いていますが,皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 今年も昨年に引き続き,インフルエンザが流行り始めています。
 睡眠不足などで抵抗力が落ちていると体調を崩しやすくなります。
 しっかり勉強して,栄養をつけて,きちんと寝ることも心がけ,入試本番まで頑張ってください。
 さて,今回のメディカルラボ通信は,間近に迫った大学入学共通テストの攻略法についてお伝えします。

大学入学共通テストで高得点を取るには

 大学入学共通テスト(以下,共通テスト)まであと1ヶ月を切りましたが,高得点を取るためにできる対策にはどんなものがあるのでしょうか。直前期の対策について,以下の4つのポイントに沿ってお伝えします。
① 直前にやるべき学習とは
② 共通テスト対策模試・共通テスト対策問題集を解き直す
③ 共通テスト試行調査(プレテスト)の問題を解いてみる
④ センター試験の過去問を解く

① 直前にやるべき学習とは

 共通テストを目前に控えて,このタイミングで新しい参考書や問題集に手を出すのも悩ましい。かといって,手持ちの問題集もやり尽くしていることでしょうから,どうすれば良いか解らなくなりがちです。
 この時期は,ギリギリまで点数を上げられる分野に集中して学習に取り組みましょう。科目別にポイントをお伝えします。
 英語は「単熟語・文法の再確認」をしておきましょう。共通テストでは単語や文法を直接問う形式の出題はなくなり,読解中心の出題に変わりましたが,覚えておくべき単熟語の数は増えていますし,長文を読みこなすには文法知識が不可欠です。問題演習を通して抜けている部分が見つかったら,単語帳や文法書に戻って復習します。
 数学は「データの分析」を押さえておきましょう。私立医学部では出題する大学が限られており,国公立医学部ではほぼ出題されない分野のため,手薄になっている受験生も少なくないと思われます。覚えるべきポイントもさほど多くはないので,数時間程度まとまった時間を確保して,考え方や計算方法などを復習しておけば満点を狙える分野です。これまでの問題を見ると,箱ひげ図と四分位範囲・四分位数の読み取り方,散布図と相関の強さの関係,分散や相関係数の算出などが頻出です。それぞれについて,勘違いなどで計算ミスを誘発しないようにしておきましょう。
 国語は「漢字・古文単語・漢文句法の再確認」をしておきましょう。直前の追い込みで現代文の点数を上げるのはなかなか難しいので,現代文は漢字や接続詞の用法,慣用句を確認するに留めておきましょう。特に漢字は選択肢の漢字も全て書けるようにしておくのが肝要です。後は古文・漢文に力を入れると良いでしょう。特に古文単語と漢文句法は,解釈系の問題でもヒントになるので覚えた内容がそのまま点数に直結すると言えます。センター試験の過去問も含めて,本試・追試をそれぞれ10年分程度取り組んでおけば十分です。また,2025年度から新傾向の問題が出題されますが,これについては過去問がないため,これまでに受けた共通テスト模試や市販の予想問題集などを活用して形式に慣れておきましょう。
 理科・地理歴史・公民は「暗記で対応できる項目の再確認」をしておきましょう。例えば化学を例に挙げると,物質の色や匂い,化学者の名前など,2次試験に向けた難度の高い問題ではストレートに問われない内容が落とし穴です。地理歴史・公民は理科以上にいかに暗記すべき項目を暗記できたかの勝負になります。取り組んだ分だけ点数に繋がるので頑張ってください。

 2025年度から導入される新科目「情報」に関してですが,こちらも過去問がありません。国語の新傾向問題と同様に共通テスト模試を復習するとともに,赤本などで旧課程の「情報関係基礎」の問題に取り組んでみるのもオススメです。厳密には出題範囲が異なるので,掲載されている対照表などを参考にしてください。さらに,仕上げとして市販の「7日間完成!」のようなタイトルの短期完成型の問題集に取り組んでおくと万全です。

 

② 共通テスト対策模試・共通テスト対策問題集を解き直す

 一部の科目については①でも触れましたが,今年受けた共通テスト対策模試の問題を解き直すことをお薦めします(全統模試であれば共通テスト模試第1回~第3回とプレ共通テストの4回分,駿台模試であれば駿台atama+模試とプレ共通テストの3回分と駿台ベネッセ共通テスト模試の2回分の計5回分)。全ての問題を解き直すには時間を要するので,間違えた問題だけを解き直しても良いでしょう。解説も改めて読み直し,改めて要点を押さえておくことが大切です。
 また,共通テスト対策問題集にも少なくとも1セットは取り組んでおきましょう。河合塾の「共通テスト対策問題パック(通称:桃パック)」,駿台の「共通テスト 実戦パッケージ問題」(通称:青パック),Z会の「共通テスト予想問題パック(通称:緑パック)」などが有名です。掲載されている問題は河合塾<駿台<Z会の順に難しいので,実力に合ったものに取り組むようにしましょう。

 

③ センター試験の過去問を解く

 共通テストは2021年度から始まったものなので,過去問は2021~2024年度の4年分(8回分)しかありません。一方,センター試験の過去問は30年分のストックがあります。共通テストは「思考力・判断力」を問う設問が増えたものの,従来の形式に近い「知識・技能」を問う問題も多く出題されています。センター試験の過去問はその「知識・技能」の基礎力を確かめる演習としては大いに役立ちます。また,最近のセンター試験の問題を見ると「思考力・判断力・表現力」を試すものも含まれているので,多くの問題に触れることで時間内に的確に問題を処理するコツを掴んでください。
 ただし,2014年度以前は,数学Bの「統計的な推測」や数学Cの「平面上の曲線と複素数平面」が出題されていなかったり,理科の科目区分が異なっていたりするなど注意が必要です。赤本などでは現行課程の範囲外の問題には印がついていますが,念のため高校や予備校の先生に確認して演習に取り組むと良いでしょう。

 

 今回は「直前期に押さえるべき共通テスト攻略法」として,共通テスト対策のポイントをお伝えしました。
 1/18(土)・19(日)に共通テストが行われ,翌20日に自己採点の報告会に参加する受験生が多いことでしょう。その余韻も冷めやらぬうちに,私立医学部の一般選抜の1次試験が始まります。1/21(火)の愛知医科大学を皮切りに,1/22(水)の岩手医科大学と国際医療福祉大学,1/23(金)の杏林大学と帝京大学と続きます。冒頭でも触れましたが,ここからは体力勝負でもあります。くれぐれも体調に気をつけて万全の状態で試験に臨めるようにしてください。
(医系専門予備校メディカルラボ)
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