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「医学部合格ガイダンス」2015年度医学部入試分析編 ~夏~

●VOL.18メディカルラボ横浜校校舎長 渡辺裕志

偏差値から見る国公私立医学部の難易度

志願者数は上げ止まりになっていますが、偏差値はどうなっているかというと、上がってきています。これは倍率によりますので、西高東低、西日本のほうが上がっている傾向にありますし、東日本のほうがダウンしている傾向にあります。西日本でも九州大学だけ下がってきています。なぜかと言うと、理科3科目だからです。1科目分理科の負担が大きいので避ける傾向が強くなっています。

私立はどうなのかと言うと、私立も偏差値が高くなってきている大学が多いです。私は偏差値をあまり当てにはしていないんですけれど、ひとつの客観的なデータだとは思います。例えば川崎医科大学は昨年度62.5でした。でも今回65に上がってきています。関西医科大学も70です。大阪医科大学と関西医科大学は関西ではトップクラスの大学ですが、大阪医科大学のほうが実質レベルが高いという実感があります。ですが、同じ数字になっています。愛知医科、東海大学も上がっています。

医学部の偏差値をこうやって見ると、山の盛り上がり、分布の一番多いところが偏差値67.5~65にあります。これは何が言えるのかというと、早稲田、慶応の理工学部よりも医学部はずっと上にあるということです。早稲田、慶応、あとは東京理科大学などに比べると頭ひとつ出ています。特に現役生の方に伝えたいのですが、早稲田や慶応に行く勉強では間に合いません。これは偏差値上のお話で、実際のところまた違ってくるところもありますが、早慶の理学部、または理科大に行こうかなという勉強のスタイル、そのような友人たちと合わせた学習スタイルでは間に合わないケースが多いです。

医学部の現役合格率ってどれくらいだと思いますか? 推薦入試も入れて22%くらいです。約2割が現役です。8割が浪人生になっています。その8割の浪人生の45%くらいが一浪生です。今回の受講は現役生の方も多いかと思います。だいたい現役生の皆さんから医学部受験を始めようと思う、医学部入試に向けて受験勉強を始めようと思う、という相談を受けるのが高三生の春です。次に多い時期が部活が終わったあとです。そこから始めて間に合う子も当然います。でも先ほどの20%しか現役生がいないということを見ると、全体的には間に合わない子が多いのが事実です。

しかし、一浪での合格が多いということは、現役では間に合わなかったけれど、もう1年やったら間に合いましたということなんです。医学部の受験勉強は一般的に考えるよりも早く始めることが必要です。1年半くらい前倒しでやられるほうがいいかなと思います。

2015年受験動向からわかる2つの特徴

ここまで2015年の受験動向を見てきて、大きく2つのことが言えるのではないかと思います。

志願者数が天井に達したのかなということと、難易度が上がっているということです。
毎年大学側から聞くのは「優秀な学生を確保したいんです」ということで、そのために難易度が難化傾向にあり、それはこれからも続くかなと思います。大学側は他にも、学費を下げたり、重複日程を避けて受験者数を多く確保したりする工夫をしています。あとは、受験の中身の試行錯誤ですね。

藤田保健衛生大学のお話を先ほどしましたが、実は理科1科目で出来る後期受験がありました。過去形です。2016年は理科2科目になります。受験者数を増やしたいということ、また現役生の受験者を増やしたかったことから理科1科目の設定でした。現役生は理科が間に合わないということが多いですからね。また、藤田保健衛生大学は多浪生を多く受け入れている大学ということで人気があったのですが、大学側は現役生にも受験してもらいたいと考えたということです。現役生と多浪生の何に違いがあるのかと言えば、学力や知識力です。これは「間に合うか、間に合わないか」という話です。そこで現役生を見込んで理科1科目で試験をスタートさせました。ですがひとつ問題点が上がってきたんです、それはお話したとおり、学力が前期と後期で比べると前期のほうが高かったということです。そこでどうしようかと考えた結果が、理科2科目にしようという動きになったということです。

そんな風に大学側も国家試験の合格率を上げて、より人気の高い大学になろうということがあるのかなと思います。 一覧へ戻る